トランプサンタはやって来るか
今年も残すところ3週間だが、注目は何と言っても12/15に予定されている、米国が中国製輸入品に対する関税の引き上げがあるのか否かだ。
株式市場は「部分合意は最低線」という見切り的発車から、米国株を中心に高値追いという状況。ここで「梯子を外されるか否か」は投資家にとって大きな分岐点ともいえるがどうなるか。
1週間もすればその答えが出るため、ここで考えてもあまり意味はないのだが整理してみる。
現状米国は貿易摩擦を多方面と抱えている。
まずは中国だがそれ以外にもフランスが導入したデジタルサービス課税に対抗し、フランスからの輸入品への課税強化を検討。加えてブラジルやアルゼンチンから輸入している鉄鋼やアルミニウムにも追加課税の方針のようだ。多方面との貿易戦争は双方の経済成長率を引き下げ、世界経済にとってもマイナスでしかない。
直近発表された米国雇用統計は上々の内容だったが、同じ週に発表されたISM製造業や非製造業指数はともに悪化している。遅行指数の消費や雇用はまだ堅調だが、先行や一致指数の悪化は気がかりだ。
このような経済状況に加えトランプ大統領が抱える弾劾裁判もあり、米中合意が破談となれば先行上昇していた株価も調整に悪化する。
だが支持率面でマイナスになるような決断をするとは考えにくく、最低でも継続協議。最悪の破断は避けられると期待する。
日経平均週足
テクニカル面(日経平均)では、人民元ショックで調整していた2016年後半からの好転局面に似ている。直前高値から1年以上の調整を経て52週RCIの調整十分から52週平均線を超えた辺りから上昇が加速。その後の経済回復(一株益の増加)とともに日経平均株価は約2年程度の上昇相場へと進む。
今回も同様の展開で天井はまだ先と言える。
ただし経済成長が加速するという条件が株高には必要で、ここで世界経済を悪化させる米中貿易交渉の破談は、このシナリオを覆す数少ないリスクとなる。12/16には答えが出ているこの大一番。買い方・売り方のどちらに微笑むのであろうか。