もみ合い想定・株価上昇力は減退へ
コロナで急落した3月相場で、まさか日経平均が27000円前後まで上昇すると考えた市場関係者や投資家はごくごく少数。皆無と言ってもよいだろう。
しかし各国の前例のない景気対策と金融緩和を背景に、日本株はほぼ27000円まで戻ってきた。こうなると勢いが付くのは相場も投資家も同じだが、ここからはやや慎重に見ておきたい。
まず今の株価が割高かどうか。
現状日経225の一株益は1072円ほど。調査機関の来期(22年3月期)は50%増益予想が中心値なので、1072円×50%増は1608円。これが来期予想の一株益となる。
仮にPER15倍なら24120円、16倍なら25728円、17倍なら27336円となり、今の株価は居心地の良い水準。だから目先は極端な高値は無いとみた方が無難だ。
一方、下値も上記PERがサポートするので深くはなりにくいと思う。
「上値も重いが下値も堅いもみ合い」、こんなイメージなので高値を追うと持たされるので押し目狙い。こんなスタンスで考えます。
さてリスクと言えば、来年1/5、米国ジョージア州の上院選挙。現状2議席を争いうち1議席でも共和党が取れば理想形。だが2議席とも民主党に取られた場合、トリプルブルーとなりリスクが懸念される展開も。
大統領・上院・下院のすべてが民主党になると、大きな政府を指向する同党の大規模景気対策が悪い金利上昇を招き、株安+円高と言う日本株にはマイナスの局面が懸念されるからだ。
もちろん実際に大盤振る舞い予算となるかどうかは、バイデン新大統領就任後の話。今は想像の段階だ。しかし市場は「上院は共和党で」と良いとこ取りで上昇してきたため、期待通りの選挙結果にならなかった場合、一時的にせよショックが走ると思うから、買いをたっぷり持って年を越すのはリスクがあると思う。
オシレーター系テクニカルで日経平均を見ると、月足も週足も過去の高値形成時と同水準まで上昇している。大きな調整は無いかもしれないが、絶好の買い場ではないことだけはテクニカルの水準が示している。
日経平均月足
日経平均週足