出遅れ株の逆襲 トレンドか一時的か
米国長期金利の上昇で米国株が動揺し、その余波を日本株も受けている。NYダウの高値比調整率は1.6%に対しナスダックは8.9%、日経平均が6%に対しマザーズが12.9%の下落と成長期待の高PER株の調整が大きいようだ。
ここで悩ましいのは、成長期待の高い株は調整が大きくここで仕込むべきか、それとも昨年全く相場のない今期大幅減益や赤字株の逆張り買いが正しい選択なのか、と言う点と、どのタイミングが買いなのかだ。
タイミングで言えるのは、米国長期金利離れがいつ示現されるかだ。
直近の動きはバイデン政権の大型景気対策の結果、予想以上に米国景気は回復し物価も上昇する。故に米国金利も上昇するがそのスピードが速く、リスク商品の一つである株にもマイナス影響が短期的に出ているという点だ。
過去20年でみた場合、米国金利上昇は米国景気回復を示し日本企業にもプラス。そのため金利上昇局面では株高だという結果のようだ。なので中長期で構えるなら金利上昇は買いなのだろう。
しかし短期的には動揺する短期投資家や、持ち高を買い過ぎた投資家のリバランス売りで下げが続くかも、という恐怖心が売りを誘発。株の調整を深くする懸念が残るので、「長期金利上昇でも株は下げない」という事実が欲しいのである。
これが短期では先週金曜だった。
予想以上に好調な米国雇用統計を受け米国長期金利は一時1.6%を突破し米国株も下げたが、その後は短期達成感もあったのか金利は低下し始め米国株は上昇して引けた。(ダウ572ドル高・ナスダック196高)
ナスダック・米国債10年
もしもこれで金利上昇が一服すれば、米国株高は続き日本株にもプラスとなる。または金利が上昇しても米国株が下げなければ同じく日本株にはプラスとなる。
しかし一時的な金利上昇一服で、これからも金利上昇が続き米国株が下げるなら、日本株はまだ買えないとなる。短期投資家には、米国金利動向と米国株の反応を見ながら、神経質な売買が必要な局面だ。
最後に株の乱高下の中でも下げない株がある。傾向的には昨年相場のなかった業績不振株に多いと思う。
昨年相場がなく直近の高値圏では日立6501・東芝6502は(業績回復予想)・日本製鉄5401・JR東9020などは米国株が動揺しても下げない主力株だ。
日本製鉄
*株達で簡単に出遅れ株を探す銘柄選択例。*
日足・対象は東証1部
条件は
2020年2/6から直近までで株価は10%以上下落している
5日間の売買代金平均が5億円以上
コロナ暴落直前の日経高値が2/6・23995円で本年3/5終値では20%も上昇している。しかし個別株では約半数が23995円当日(昨年2/6)の株価を下回っている。この先も出遅れ修正が続くと仮定すれば、上昇していない銘柄に注目するのも一考。もちろん下値に放置されているということは、それだけ買い難い材料を持っている裏返しではあるが。