高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2021年07月12日

戻りのあとが重要

先週には27419円まで突っ込んだ日経平均、目先は戻りそうだが戻り一巡後はもみ合い・調整含みに警戒も。

この一ヶ月の動きを振り返ると、6月末~7月初旬に上値抵抗線を上放れし上昇入りが期待されたが、オリンピック開催への否定的な報道のラッシュで菅内閣は支持率低下。コロナ感染対策の抜け穴が多数指摘され、オリンピック関係者からもコロナ陽性者が入国と、コロナ対策の穴を通り抜ける事態に報道はよりヒートアップ。

加えてコロナ感染者が東京を中心に急増方向となり、株価はワクチン接種の進展よりもコロナ拡大の懸念が勝り上昇から横ばいへ。さらに上昇基調だった9~12週RCIはピーク圏手前で陰転となり、今回の調整を暗示する形状となった。

日経平均週足
日経平均週足

目先的には、日足12日・26日RCIの低下が進み戻りやすいタイミングにあること。悪材料も都議選での自民議席急増とはならず、まずいコロナ感染対策で感染者急増による東京五輪無観客開催の決定。期待した経済効果がほとんど無いどころか、「日本はコロナ対策さえも満足にできない国」と言うレッテルを張られたような結果に株安と言う反応で答えた。これも目先は一旦織り込んだ可能性もあろう。

ただし上記の週足テクニカルの形は調整不足にあり油断できない事。加えて13・26週線が日経平均なら28800円台から29000円辺りにあり戻りの抵抗体になり易いことなどから、7/9の急落に対する買戻しが一巡したら、買うエネルギーが無くなり再び方向感のないもみ合い・調整に戻る可能性もある。

ここからは高岡のボヤキとなるが、

多くのマスコミは東京五輪を特別扱いする主催者側を批判し続けとうとう無観客となった。ではプロ野球やJリーグも無観客にすべきと批判するのだろうか。地方から移動するファン、1試合5000人の観客×1日約20試合とすれば10万人の人流が発生する。無観客の東京五輪よりも圧倒的に大きな「人流」を生み出すが、マスコミはどういう立場を取るのだろうか・・・

TV中継など大切な報道各社のスポンサー(CMなど)だし、重要な収益源だから失うのを恐れ、「プロ野球とJリーグは特別」、「クラスターが出てはいない」と、矛盾した社説を載せるのであろうか。

この論争は縮小均衡のデフレ日本とまさに同じ。どちらも正論で議論すればするほど「止める」ことが一番となる。東京五輪もプロ野球も人流=悪となる。学生の教育で言えば、がり勉は悪、働き過ぎも悪。どれも「ゆとり」を持って、が人間らしいというロジックとなるが、その一方でノーベル賞も金メダルも大好きなくせに、極端な努力を悪とする矛盾した考えのこの国。その辺を見越してPER13倍台でも買いが入り難いとすれば大きな問題だ。地球上には日本人以外の人が70億人以上もいる。この人たちとの競争に勝たねば企業の利益も国の利益もない。

2/16に日経平均は30467円の高値を付けたこの日のNYダウ、31522ドルでその差は1055ポイントだった。

これが直近では日経平均が27940円でNYダウ34870ドル、その差は6930ポイントと実に6000ポイントの大差がついた。

この間、コロナ拡大を除けば企業収益は順調で米国株にこれだけの差を付けられるほど、悪材料があるとも思えない。

一株益は2/16の1311円から2056円まで急増し過去最高を記録。しかも株価調整もありPERは23.24倍から直近では13.59倍まで低下。割高感は感じられない。

7月後半から始まる四半期決算を受けて日本株が再上昇の方向に行くなら良いが、PER13倍台・一株益は過去最高でももみ合いなら、単純なテクニカル調整ではないかも知れない。

短い売買で「塩漬け」にならないように気を付けつつ、日本株にトレンドが出てくるまで辛抱も悪くはないと考えます。

高岡のボヤキが見当違いでありますように。

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