高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2018年01月09日

ロケットスタートの日本株

2018年の年明け早々、日経平均株価は大幅高でスタート。まことに良好なスタートである。さて本年の相場予想の特徴を一言で言うと「総強気」。弱気はほとんど見られず、大方の市場関係者やアナリストは強気。
  懸念もだいたい同じで、中国と米国の景気動向。両国とくに中国の景気変動(上下)が日本に対する影響度が増しているため、中国の景気減速を懸念材料の第一位に取り上げる向きが多い。それ以外では北朝鮮問題などで昨年から続く課題。言われ続ければ続くほど市場は織り込んでしまうため新鮮味に欠けるが、2018年も北朝鮮問題は残るという。

  この様に弱気材料は少なく、市場関係者の見方は強気一色。しかもスタート早々日経平均は1000円幅のロケットスタート。あまりにも調子が良すぎて怖いぐらい。お節介かも知れないが「はしゃぎすぎには注意しましょう」と言いたいぐらいである。

●上記した日本株強気の根拠は、円高抵抗力を増した好調な企業業績があろう。

  2017年の円ドル相場は円高気味だった。2016年12月に1ドル118.66円まで円安が進んだが2017年に入り円安は114円台がピークで、円高は1ドル108円~107円もあった。
  2017年1月第一週のレートは1ドル117円で、12月末が112円台後半。4円の円高になったにもかかわらず、日経平均の一株益は年始1180円が年末1511円まで増加。331円・28%も増加した。

  2017年1/4の日経平均が19594円、一株益が28%増加したのでその増加分、日経平均が上昇したとすれば25080円まで上昇してもおかしくはない。
  さらに2017年末の一株益1511円が2018年は5%増加なら1586.6円となり、25080円×5%高(一株益の増加分)は26334円、PER15倍まで買うと23799円、16倍なら25386円となる。

  2017年末の一株益1511円が2018年に10%増加なら1662.1円となり、25080円×10%高(一株益の増加分)は27588円、PER15倍まで買うと24932円、16倍なら26594円とはじかれる。
  いずれも計算上の数値だが、4円円高でも28%も伸ばした日本企業の一株益。2018年も急激な円高がなければ一株益は増加傾向で、それを反映して株価も上がるであろう。こう言う見方が強気の根拠になっているものと考えられる。

  この根拠が覆るには、(1)100円前後まで円高が進み企業業績が下方修正されること。
  (2)米国のとか世界景気が予想ほど伸びず、米国長期金利も世界の金利も低下=デフレを強める。この事がこれ以上低下しにくい水準にある日本と、低下余地のある世界の金利との関係で低下余地の少ない日本円が買われやすい=円高になりやすく株安の要因になる。
  もう一つは、円高にはなっておらず一株益も増えPERは低下傾向。これでも株が上がらない場合は「今が景気のピークの可能性」。
  こういう現象が見られなければ株は上がるはず。これが強気の根拠であり、注意すべき項目でもあろう。
  好調な日本株にケチを付ける理由はないが、欠点のないところが欠点。

  儲ける時は儲ける、引く時は引く、メリハリを付けて2018年も頑張りましょう。

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