高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2018年04月09日

トランプ発言に加え弱材料が重なる

3/13に史上最高値を示現したナスダック指数、その勢いのままに高値更新が期待されたがティラーソン国務長官の更迭、フェイスブックの個人データ不正利用、自動運転車の人身事故で実験停止、中国に約5兆円の追加関税を、テスラモーターの電気自動車から出火し死亡事故、トランプ大統領のアマゾン批判強める、中国にさらに10兆円の追加関税案の作成を指示。

  世界経済拡大や米国のインフラ整備+大型減税で米国企業業績は上向き、これが米国株高の背景にあったが、トランプ大統領の不規則発言が政権基盤を揺るがし、貿易相手国に「力」で妥協を引き出す強引な手法。これが企業経営者の先行き懸念につながり設備投資の抑制効果を生み、世界経済にマイナスの影響を及ぼす可能性、これが嫌気されている。

参考チャート

  さらに新任したFRB新議長、これまでの議長はマーケットフレンドリーな発言で市場との対話に重きを置いていた。しかし新議長はマーケットに冷たく「株価安定はFRBの仕事ではない」とバッサリ。
  大統領に揺さぶられる市場をFRBも見放し、誰も救済の手を差し出してはくれない。こう言う認識が広がりリスク資産圧縮へと投資家を急がせた結果の調整、これが現状である。

  やっと「イイ感じになった」と思うや、不規則発言で好転した投資家心理を一気に冷やす。これを何度も繰り返し、その度に投資家はリスク資産を持続すべきか売却すべきかを迫られる。投資家によっては「買っては投げ、買っては投げ」を何回もさせられた方もいるだろうから、この次は簡単に買いで勝負は出来ない、こう覚悟させられた向きもいるだろう。なかなかテクニカルの好転だけでは投資しにくい環境がまだ続きそうである。

  次のポイントは中国が報復関税案を早々に表明するかどうかと、その発表に市場がどう反応するのかが注目。

  例えば一時104円台まで進んだ円ドル、直近では107円台を瞬間付け上値抵抗だった25日線がローソク足を支持する格好に好転。今後もこの25日線が円安の支持帯に機能するのか、割り込み円高に逆戻りするのか、経済指標とともに中国の報復関税の規模と品目などに注目。

参考チャート

  米国では第一四半期の企業決算発表が始まる。内容は市場予想を上回る好調という見方が多いが、業績拡大はある程度織り込まれている可能性。なぜなら貿易戦争による世界経済縮小が意識された時、それを意識させるような発言をトランプ大統領がした場合、ピンポイントで相場が崩れているので市場は大統領の発言を嫌がっていると考えられる。

  しかもこの発言が不規則なのでテクニカルの形状が良くなろうが、長期金利や為替が安定しても大統領の一言で「市場の安定」は吹き飛んでしまい投資家は損を被ることになる。これが嫌だから、リスクだからと考えるなら様子見が堅実と考えます。
  もちろん小刻みな値幅での売買を繰り返し、翌日に株を持ち越さない方法も悪くはありませんが。マネックスG <8698>のディトレなどがそうなのでしょうか??? 

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