高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2018年10月09日

円安一服なら上昇も一服

9/7を起点とした株価上昇も円安一服なら株高も一服、過去のパターンから予想できる。
 日経平均の日足と円ドルの日足とを見比べてみると、円安のピーク=株価の高値、円高のピーク=株価の安値、こういった関係が見られる。
  この先、一段の円安がなければ株価上昇もお休みになる可能性が高い。

日経平均の日足と円ドルの日足
参考チャート

  特に先週、米国金利上昇に弾みがつき、円安も加速した。しかし先週末の金曜、米国金利は上昇したが円安にはならなかった。金利上昇は織り込み済みという短期的な達成感なら良いのだが、「米国の悪い金利上昇」。こう市場が考え始めたのなら、米国金利の上昇=米国買い=ドル高(株高)にならなかったのは理解できよう。

  ある時点までの金利上昇は好調な米国経済指標を評価したため。しかしそれ以上の金利上昇は米国に悪影響、こう言う分岐点が先週末の米10年債の3.2%かも知れない。
  今後この米国10年債3.2%を超えた金利上昇でもドル高+株高なら、新たな米国買い相場に突入と言えようが、3.2%を超えた状態でドルも米国株も高値を超えられない状態が続くと、天井感が意識される可能性がある。

  さて日本株だが9/7の安値から10/2まで約2000円幅の上昇となった。日米貿易戦争は「トランプ・シンゾウの友情」で回避、こう言う先回り買いが売り方の買い戻しを誘発させて付けた値段なのだろう。
  ただ相場の内容はあまり良くはない。

安川電 <6506>
参考チャート

  例えば上昇の起点となった9/7、日経平均は年始来高値(24124円)から7.3%下落の水準(22307円)だったが、東証一部銘柄では過去1年来高値より10%以上の下落銘柄数が81%(5銘柄に4つが)もあり、30%以上の下落銘柄数は25%(4銘柄に1つ)もあった。
 (株達の検索条件は、日足・東証一部・株価高値比率で期間は250日)

  直近高値時の10/2時点ではこの比率は、66%と18%にやや改善。

  直近高値から3%弱の調整中の10/5、この比率が70%と21%に悪化する。

  ここで注目は、過去1年間の高値から30%以上も下落している銘柄の比率が、25%→18%→21%と、日経平均が上昇した割りに大幅下落銘柄のリバウンドが弱い点である。

  これは世界経済の方向を示す指標が昨年末あたりから下降し始め、加えて米中貿易戦争の影響などから世界経済減速を市場が懸念し、景気敏感株がメタメタに売られているためである。

  為替は企業の想定以上に円安であり、中間決算では上方修正は確実だろう。それを織り込む株価上昇がこの先も継続するのか、誰もが知った材料は好材料とはならず、こう言う展開なのか。今週は安川電<6506>の決算発表がある。中国減速の影響はないと決算発表時に聞かれるか、受注は減速傾向となるのか、円ドルと安川電 <6506>の決算に注目です。

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