高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2019年07月01日

当面は業績下方修正株に注目だ

注目のG20、特に米中トップ会談は米国側が譲歩した形で決着したようだ。米国が中国製品全てに追加関税という話は当面停止。ファーウエー社への製品販売も条件付きでOKとか。

  一方で中国側の米国に対する妥協点は今のところ報道されてはいない。今回の会談で「最悪の喧嘩別れ」は回避されたのだから市場は好感しよう。ただ合意した点の詳細が報道されてはいないし、何時トランプ大統領が「追加関税だ」と態度を変えるリスクも残る。

  結局、目先、株は買われようが賞味期限は意外に短いかも知れない。円安一服なら指数の上昇も止まる。それ以降は再び材料株や新規公開株の一本釣り相場。こんなイメージで考えています。

日経平均日足
参考チャート

  次の材料は7月中下旬から始まる米日の四半期決算だ。
  世界経済の減速を示す経済データが日々公表されており、局面的には景気後退局面だ。これを金融緩和で持ち上げようとしている国の株は上昇し、日本のように「これ以上の金融緩和が出来ない国の株価は政策支援が望めず=見送り」、と戻りが非常に鈍いという二極分化状態だ。

  そのため今後発表される米中の経済指標が弱くても、株が売られるリスクは少ないと思う。暫くは・・・。むしろ注目は業績に対する投資家の反応だ。

  日本企業で言えば最近、下方修正や冴えない四半期決算を発表した企業の株価が意外に堅調だ。スター精 <7718> は中間期を下方修正、瑞光 <6279>は第一四半期急減速、高島屋 <8233>は第一四半期2ケタ減益、しまむら <8227>は第一四半期2ケタ減益、コーセル <6905>は前期の通期下方修正。
  内容的には厳しいものが多いのだが、業績発表翌日に売られても引けに切り返したり、翌々日から反転など一方的に売られなくなっている銘柄がある。

 通常なら景気下降局面で、しかも金融緩和の材料も期待できない中で、株が買われる事は希だ。だが相場が強気に傾くなら、こう言う業績悪化株が買いチャンスと考える向きが市場にはいる。業績の最悪期を逆張りで買うというスタイルの投資家だ。

  局面的には景気は下降中だが、米中問題がこれ以上こじれる事はないと読む向きが、ジワリと下値を買い始めているとも読める。
  今後も業績不調株が一時的に売られても、数日以内に切り返し上昇を強めるようなら、株式市場は強気トレンドを形成する可能性がある。そう言う意味で米国企業決算が始まり、米中貿易問題の影響もあり四半期決算が不調と発表した銘柄が、逆に悪材料出尽くしで買われるケースが増せばますほど強気が増えるものと考えます。

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