高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2020年02月10日

米国株の史上最高値更新というビックニュースに引きずられ、日経平均も持ち直してきたが市場の盛り上がりはもう一つ。上に行きたがる日経平均に付いて行くべきか、見送るべきか非常に悩ましい。

米国株が持ち直してきた背景には、いくつかの材料が重なったことが考えられる。

  1. 新型ウイルスが拡大する中、一部ではエイズ向け・インフルエンザ向け・エボラ向け治療薬に効果が見られるというニュースが増えてきたこと。
  2. 世界第二位の中国の景気減速は、金融緩和や財政支援が期待できること。
  3. 米国の経済指標が予想以上に堅調であること。(ウイルスの影響前の数字だが)
  4. 新型ウイルスも気温の上昇とともに、ウイルスの増殖は終わる可能性が高いこと。すなわち春以降は減退し終息が見えていること。

これら要因が米国企業決算の堅調さと相まって、米国株を押し上げたのだと思うし、日本株は連れ高しているのだろう。

一方でテクニカル面では心配な面は消えていない。

日経平均週足RCI
日経平均週足RCI

まず週足RCI。9・12・26・52週のすべてが過熱圏前後まで上昇後、株価は調整に入り13週線を一時割り込んだ。これにより短い9・12週RCIも陰転下降へと調整サインを点滅させた。その後、大陽線で13週線を再び回復。通常なら強気サインと言えなくもないが、市場の元気度を示す25日騰落レシオが冴えないままだ。

日経平均日足騰落レシオ
日経平均日足騰落レシオ

この指標は値上がり銘柄数と値下がり銘柄数との比率を示し、同指数は100%が中立水準。現状は86%と中立の100%を下回ったままの状態で、日経平均だけが一昨年来高値の近辺まで上昇しているのだ。値上がり銘柄数が減少している中での日経平均高。株高が持続可能なのであろうかという不安が募る。

今週以降、値上がり銘柄数が増え騰落レシオは中立の100%を超えるようなら、日経平均高に期待もかかろう。しかしごく一部銘柄の株高で指数だけが堅調なら、この株高の持続性には疑問を持たざるを得ない。そうなると9・12週RCIの反転上昇期待にも黄色信号がともり、一度は回復した13週線の維持にも失敗するかもしれない。そして25日騰落レシオの低下が続くと、9・12週RCIの低下は続き調整モードが顕在化するだろう。決算時期でもあり個別勝負と割り切るのは悪くはないと思うが、銘柄選択の条件は厳しめ。相場環境は米国ほどよくはないと認識し相場に臨みたい。

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