高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2020年03月02日

先週の日経平均は2244円(9.6%安)、NYダウは3583ドル(12.4%安)をはじめ世界の金融市場が大荒れだ。理由はコロナウイルスの感染拡大だ。

これまでは中国や日本を中心に「アジア限定の感染」という、対岸の火事的な見方が欧米投資家にはあったと思う。

だがイタリアやイランにも感染者が急増。さらには大丈夫と思われていたアメリカでも新規感染者が増加。米国CDCは「世界的な感染拡大の可能性は確実で、いつ始まるかだ」。こういうメッセージを出したから市場は驚き、最強の米国株でさえも連日の大幅安で、ほぼ1年前の水準に逆戻りだ。

テクニカル面では、数年に1度あるかないかという売られすぎを示唆している。

まず日本株では、25日騰落レシオは53.3%まで低下。直近では2015年6月高値からの調整局面で、人民元安ショックが引き金の局面。株価は2016年1/21が一番底で25日騰落レシオが53.83、25日線乖離率が-11.67%を記録。

株価は1/21を下値に2/1まで戻り+1900円幅を示現するがその後は二番底模索へ。

2/12が次の安値となり、25日騰落レシオが57.73、25日線乖離率が-11.87%を記録。当日の14865円を下値に3/14には17291円まで戻した。

今回は、2/28の25日騰落レシオが53.30、25日線乖離率が-9.02%を記録。

短期売られすぎ指標では十分下値と言える。

次に週足だが、まずは米国株。

NYダウの13週線乖離率は-10.77%を記録。高値からの下げ幅は4887ドル(ザラ場)。直近では2018年末まで遡り、13週線乖離率が-10.44%、高値からの下げ幅が5239ドル。18年末と今回と同じ下げ方だ。

NYダウの場合、これ以外にここまで悪化した局面は、2011年のギリシャショックまで遡らないとなく、さらに前となるとリーマンショックまで遡らないとないほどの低指数である。

NYダウ週足RCI
NYダウ週足RCI

日経平均では、13週線乖離率が-10.08%を記録。これは2016年2月安値時の-17.77%以来の低水準である。

このように米国株も日本株も週足・日足でボトムを示すサインが点滅だ。ただし今回と過去との違いは日柄。米国株は調整2週目、日経平均は6週目と非常に短い。

過去、日経平均も米国株も2ヶ月半~3ヶ月程度の日柄をかけて調整し、最終局面でドンと売られる。こういう日柄も十分調整し値幅も十分突っ込んだ局面では戻りやすい。

しかし今回のように、値幅や突っ込むスピードは十分だが日柄が足りない場合、短期戻りを示現してもその後は二番底模索となり、週足テクニカルの調整十分を待ってから反転となるケースが多いと思う。

ということは、目先はそろそろ突っ込み過ぎサイン点滅から反転想定だが、早めに逃げないといずれ日柄調整不足の圧力に負ける局面がやって来る。そうなると安値で買った株も売り逃すと「しこり」となる可能性がある。

2/29発表の中国PMI2月分は、市場予想を大幅に下回る悪化ぶりで過去最低水準を更新した。おそらく3月分も新型コロナの影響で相当に悪いだろうから、すぐに株価がV字回復するほど楽観にはなり切れない。

3/2~3/3が目先の底形成に期待するが、早めの降りが出来ないようなら、調整十分を待ってもよいと思うが。

→高岡隆一の株達の極意 伝授します! :目次へ