高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2020年05月11日

重いと考えていた日経平均2万円の節目、直近の株式市場は2万円を戻りの目途から通過点になるかのようにジワリと上昇を続けている。この原動力は米国株高という支援材料があると思う。

コロナ感染者数でも死者数でも断トツの世界一位にも関わらず、マスクもせずに「都市封鎖を解除せよ」、とか「外出制限を止めろ」と騒ぎ出す米国。そんな米国の株が順調に戻っている。

ナスダック指数は9000ポイントを回復、昨年末の8972ポイントを抜き去り昨年末比のパフォーマンスはプラス。2/19の史上最高値しか節目がない強い戻りを演じている。

物色面ではアフターコロナの世界を買う、そんな展開なのか5大ネット関連株(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)の戻りは強く、この中には史上最高値を更新中の銘柄さえある。この5社で日本の上場企業約3500社以上の時価総額を上回る=すべての上場する日本企業を買える、というから驚きだ。

FRBは「出来る事は何でもやる」と公言。高格付けだけではなく低格付けの社債も買うなど、これまでに例のない史上初の金融緩和強化策を発表。株式市場は「コロナが終わればジャブジャブの金融相場がやって来る。バブル相場が待っている」、と言わんばかりに上昇を強めている。

世界恐慌以降では最も悪い経済指標が発表されても、「過去の数字」。米国労働者の約20%が失業との推計もされる雇用統計や新規失業保険申請者件数の累計値にも買いで反応。悪材料でも下げない相場は最強。これが日本株を支えている。

ファナック
ファナック

日本株では直近で厳しい決算を発表したファーストリ<9984>、ファナック<6954>、オークマ<6103>、牧野フ<6135>などが上昇している現実を見ると、チャートだけでは語れない戻り相場が演じられているのかも知れない。前代未聞の規模で行われている世界的な金融緩和と景気刺激策。アフターコロナの世界は5Gという次世代の産業と、前産業もバブル的な恩恵をあやかれる、そんな見立てなのだろう。

もちろんコロナ薬やワクチンが早期開発されることが理想だが、韓国や台湾・香港(中国も)の様に、私権や個人情報への強権的な介入でコロナを鎮静化させた実例もある。自由を大切にする欧米や憲法的な制約から日本では同じことはできないかも知れないが、今後同じような私権制限や個人情報の活用がなされれば、厳しい外出制限を行わなくとも、経済を止めなくても、コロナを退治することができる。これを上記の国が示し、世界の株式市場は期待しているのかもしれない。

ナスダック
ナスダック

テクニカル面では、米国ナスダック。一度割り込んだ12か月線を再び回復中。一度は陰転した9ヶ月のストキャス(SRV-K&SRV-D)も再上昇中。

週足移動平均線も、13・26・52週線を一度は割ったが再び回復。と同時に9・12週RCIも下降からボトム圏で上昇転換し、現在は上昇中。テクニカルの勢いでは、ナスダックが最高値更新してもおかしくない形状。これに次ぐのがSP500・NYダウの順で、ナスダックに引っ張られ上昇を強めるのか、それとも5月中にも再調整に入るのか予想がつきにくい。

5月中としたのは、9・12週RCIが5月中にも過熱圏まで上昇しそうなこと。加えて外出制限の解除をし始めた米国の多くの州。ここで感染者が再び増加し始めた場合、コロナ第二波への警戒から調整入りになることも考えられるため、コロナ薬やワクチンが5月中に出来ないと調整のリスクがあるためだ。

先週あたりから、日本の株式市場では出遅れ株への物色が目立つようになってきた。テクニカル面でのポイントを抑えつつ、物色の変化にも注意を払いながら参加下さい。

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