高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2022年06月06日

テクニカルは緩ーく好転

強い買いサインという程の明確さは無いものの、テクニカルは好転しつつある。

まず日足。

日経平均日足
日経平均日足

昨年9/14高値から引いた上値抵抗線や、今年に入って上値抵抗となってきた200日線、ジワリ視野に入ってきた。まだ明確に上抜けるか定かではないが、少なくとも昨年9月から引いた上値抵抗線にタッチは買い方に朗報だ。

次に週足。

日経平均週足
日経平均週足

数年ぶりに、26週RCIと52週RCIがともにボトム圏まで低下してきた。昨年2月高値から調整は1年を超える期間。日柄十分と言う感じだし、13・26週線も超えはじめチャートも悪くない。しかも短い9週RCIや12週RCI水準も過熱は見られないレベルにあり、戻りだすとある程度の値幅も期待されるタイミング。

仮に一旦戻りが終わった場合でも、26週RCIや52週RCIがボトム圏にあるため、よほどの悪材料が無ければ値幅を伴う下げは回避されると思う。むしろ「2回目の戻りトライ」も期待され、長いテクニカルのボトム圏は戻り相場を期待させる。

最後に月足。

日経平均月足
日経平均月足

2015年以降、12ヶ月線を割り込む調整局面が数回ある。特徴は、直前高値から調整期間が1年前後で、9ヶ月SRV-Kや9ヶ月SRV-Dが50%以下まで低下し、12ヶ月線を上抜いた場合、相場は戻りを演じてきた。

今回12ヶ月線が27800円弱にあり、日足の200日線(約28000円)とほぼ合致。ここが分岐点となるわけだが、もしもこの28000円を明確に上抜けると、月足テクニカルの水準が低く直前高値からの調整期間も十分などから、1か月程度の戻りでは終わらない可能性も出てくるだろう。

ちなみに上記テクニカルパターンが裏切られ、大きく下に持っていかれたのは2008年のリーマンショック時や2000年から2003年にかけての調整局面(ITバブル崩壊・小泉経済政策への失望・金融機関の不良債権処理不景気など)。

これから来年にかけて世界的な大不景気がやって来るなら、戻りは騙しとなりさらなる調整が待っている。

一方、世界的な大不景気は回避されると見るなら、通常の1年程度の調整で一旦終わる可能性もある。3月期企業の決算発表は終わり業績下方修正へのリスクは目先回避され、業績悪化が株価を押し下げるという局面は当面ないと考えれば、テクニカルの形状から目先調整よりは自律反転に期待したい。

ただしケチを付けるなら利益の伸び鈍化だ。

前月号で、一株益の水準から26000円辺りがボトムになりそうだが、日本株一段高には一株益の増加が不可欠とした。その後の決算発表で一株益は5/6・2143円がピークで、6/3時点では2095円となり、2143円を大きく超えられなかった。

当面、決算発表も終わり一株益が増加しにくいことから、日本企業の力で株価を持ち上げるには材料不足。またまた米国株に一喜一憂の不安定な相場に戻る可能性もあり、200日線を目前にもみ合う(200日線を挟む)展開想定が無難か。

今週6/10には米国消費者物価(5月分)の発表があり、インフレ率が期待以上に低下すれば株高要因。高止まり・一段の上昇なら株安要因。こんな感じで様子見となりそう。

国内発の株安要因は乏しいと思うが、日本独自の材料で株高を演じるだけの材料もなく、「外部環境にゆらゆら」と掴みどころのない相場展開か・・・

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