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ECBがQE(量的緩和)政策に踏み出し、株式市場は「同時株高」、為替市場ではユーロ安が加速した。SF(スイスフラン)ショック、原油(WTI)波乱、ロシアやベネズエラのデフォルト懸念と年初からマーケットは慌しく、今週はギリシャ選挙とFOMCもある。ECBのQEを好感した恰好の「同時株高」だが、一時的に人気が片寄った可能性もあり、先行きは不透明と言わざるを得ない。
23日の日経平均は182円高17511円と続伸、発会以来17500円を回復したが、チャートは11月から続く往来相場(18000~16700円)の中で、もみ合いの一環。先週は往来下限から切り返したが、この往来から抜ける方向が今後の大きなポイントになること間違いない。
世界的超低金利を背景とした金融(需給)相場が続く可能性はある。週足は上昇基調を維持しており、年初の初押しから出直る構えも見受けられる。世界市場の波乱を乗り切れば、節分高→3月期末高→4月新年度相場とうまくつながり、日経平均は07年18300円奪回に向かう可能性もある。
日経平均日足
ただ、RCIなど日足テクニカルは間もなく高値圏に入ってくる。1月第4週から2月第1週にかけて重要変化日が続くが、12月8日の重要変化日で付けた18030円もまだ君臨しており、ここからは再び上値の節を意識することになり、場合によっては「節分」に戻り高値となる可能性も否めない。
日経平均週足
また、原油や為替市場の波乱でヘッジファンドなど運用機関には経営危機に追い込まれたところがある。大手金融機関にも大きく損失被ったところもある。こうした一部の大口投資家の動向によっては、同時株高にブレーキかけることもあり得る。日経平均の週足RCIは陰転してまだ調整過程にあり、往来の下限にも注視しておかねばならない。
カギを握るのはNYダウだが、NYも日本株と同じように往来が続いている。タイムスケジュールを含めて不透明要因が多く混在する地合いだけに、この往来がまだ続くことも想定しておくべきだろう。いずれにせよ、日米とも「往来」から抜け出る方向がポイントで、その方向を確認するまでは慌てることなく小口売買で様子見姿勢も一策だろう。
ドル建て日経平均日足
ユーロ建て日経平均日足
ちなみに、日経平均を「ドル建て」「ユーロ建て」で見ると、景色がまったく異なる。ユーロ建ては日本株も大きく高値を更新しており、これで欧州勢の買い基調も納得できる。だが、上がれば利食いも出るのが相場であり、その流れが続くという保証はない。ドル建ての日経平均に至ってはいまだに13年からの抵抗線が続いている。何はともあれ円建ての日経平均をしっかりマーク、流れに従うということだろう。
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