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震災、影響を注視
前回はDAXの調整基調をコメントしたが、懸念をよそにDAXは14日に高値10098ポイントと大台を回復した。NYダウが高値を17962ドルまで伸ばし、日経平均も16928円まで急伸するなど、原油価格(WTI)の回復を背景に同時株高の様相を強め、為替(ドル円)の回復で日本株を押し上げた。だが、NYダウは昨年来の高値ゾーンに差し掛かり、DAX(3月高値10112ポイント)と日経平均(3月17291円)は3月の高値ゾーンに差し掛かったところで、戻りの正念場という解釈が続く。
WTI週足
先週は「G20財務相会議」で口先介入もあり、買い戻しを誘った感がある。原油も株式も春先の下落で市場には売りが溜まっている。今週は17日の「産油国増産凍結協議」の成り行きがまずポイントだが、今月下旬はECB理事会(21日)、G7首脳会議(22日)、FOMC(27日)、日銀決定会合(28日)と重要イベント続くことから買い戻しを引き続き誘う可能性あり、そうなれば同時株高の流れも続くことになる。
日経平均の日足は、窓を2つ空け、赤三兵を描いて16900円回復と、動きは悪くない。75日線や2月からの上値抵抗線に抵触し、16989円の雲上限に近付くなど節に差し掛かり、目先調整を挟んでもおかしくないところだが、4/13の窓埋めや雲下限の16400円台まではスピード調整の範囲と言える。軽めの調整を挟んで切り返すなら、4月下旬のイベントにらんで政策相場に発展する可能性もある。
日経平均日足
ただし、ご承知の通り日本は九州で大震災に見舞われた。忘れかけていた「地政学リスク」の1つである。度重なる大地震に九州のインフラは寸断され、経済への影響が免れなくなった。CMEの16605円は甚大な震災を織り込んでいない。また、経験則でも大震災あとの株式市場は軟調に推移しており注視せざるを得ない。
為替(ドル円)は109円に戻したものの、為替チャートは105円台指向の円高基調を脱していない。ここで、増産凍結協議を受けて原油価格が反落するようだと調整許容範囲の16400円も危うくなる。その意味で、今週の動向がポイントになろう。
ドル円週足
欧米の株価も節目に差し掛かり目先は調整含み。ドラキ総裁とイエレン議長のマジック効果もありすぐの深押しは想定しづらく、もみ合いのスピード調整を想定するが、増産凍結協議のあと原油価格が調整強めるようだと「同時株高」の流れも危うくなる。当面の日本株は「復興」機運もあり深押しせずスピード調整のもみ合いとなり、次の展開を探ると見ているが、下値「16400円」だけは意識しておきたい。
九州地震で被災されました方々に、お見舞い、お悔やみ申し上げます。
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