★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のブログ
変調?FAANG
ナスダックが27日に114ポイント下げ、日足に長い陰線を入れた。26日にフェイスブックが19%急落、アマゾン、ネットフリックスなどのいわゆる「FAANG」銘柄に下げるものが目立ち始め、27日はツイッターが21%急落した。ナスダックのチャートはこれまで高値を更新すると調整、そして押し目買いというパターンを繰り返して上昇基調を維持してきた。今回もそのパターンをたどる可能性はあるものの、フェイスブックやツイッターの急落はこれまでにない異変だけに、注意必要だろう。
ナスダック日足
ナスダック7737ポイントは日足の25日線と短期下値抵抗線に近付く下値ポイント(7700ポイント近辺)で、ここを割り込むと75日線の7500ポイントから200日線の7200ポイントを探る可能性が出てくる。RCIが調整入りしている点も気になる。
そして、言うまでもなくFAANGには世界の投資マネーが集中しており、ここが崩れるようだと世界の金融市場が混乱し、10年前のサブプライムショック再来が否定できなくなる。未曾有のカネ余りとトランプラリーで最高値を大きく更新しているナスダック(欧米株)だけに、この点には細心の注意を払っておかねばならない。
つまり、FAANGの動向は景気や業績、株価を「どうこう」語る以前の大事なポイントで、世界マーケット全体の需給を占う上で大きなポイントということ。FANNGがこけたら「皆こけた」となることを忘れてはならない。
さて、それとは別に日本株だが、今週の日銀決定会合が注目される。日銀はこれまでの大胆緩和の姿勢を変えようとしている。ETF購入をTOPIX型に比重高めるとか、長期債利回りのゼロ金利誘導解除の検討などが指摘されている。
ETF購入をTOPIX型に移すのは悪くないものの、ただ「いまさら」である。すでにファーストリテイリングやソフトバンク、ファナックなど値嵩株を多くのファンドが大量に購入しており、日銀が日経平均型の比率を下げるとなれば多くのファンドも保有を見直すので「日経平均下落」は免れない。13倍まで開いたNT倍率の是正には寄与するだろうが、だからといってTOPIXが上昇する保証はどこにもない。
また、先週はゼロ金利解除観測で地銀など銀行(金融)株が買われる場面が見られたが、金利上昇は債券(国債)価格の下落を意味し、国債を保有している地銀には痛手となる。さらに地銀といえば運用難に苦しむ代表格で、米国のFAANGにも積極投資していると思われる。日本国債が下落(金利上昇)、さらにナスダック下落となれば「存続」問題に発展する地銀は少なくなく、日本には金融危機に陥るようなリスクを孕んでいることも否定できない。
国債価格
先週の日経平均は25日線、75日線、200日線の集まる22300円処を下値に切り返した。これは悪い動きでないものの、7/18の変化日高値22949円や厚い節目の23000円をまだ抜いていない。23000円を抜けずに22300円処の平均線を割り込むようだと「調整入り」の可能性も出てくる。
日経平均日足
ちなみに次の変化日は7/30、8/7。4-6月決算の発表が始まりポイントではあるが、まだ第1四半期だけに上方修正など好決算をあまり期待すべきではないだろう。いまポイントはナスダックであり、変化日に「安値」示現の可能性もあり日経平均は200日線など平均線割れに注意しておきたい。
(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます! 詳細・お申し込みはコチラ )