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調整懸念漂う5月
長かった「10連休」も平穏に終わった。休みの間の米国株は、FOMCで利下げ観測が遠のいたことで若干下げたものの、雇用統計で程よい好調を確認すると再び高値圏に戻し、本日のコメントは「ひと安心」と記す予定でいた。ところが、ご承知のように5日のトランプ発言で世界のマーケットは大きく揺れた。
今回のトランプ発言は8日からの米中閣僚級協議を睨んで中国側に圧力をかけるパフォーマンスであるのは言うまでもなく、中国側の出方次第ではすぐに落ち着きを取り戻し、カネ余りの状況が続いていることから米国株は押し目買いから高値を模索する可能性もあるだろう。だが、NYダウ、ナスダック、日経平均ともにチャートは高値圏で過熱を帯びており、5月相場は調整の入口になる可能性あることは頭に入れておきたい。
6日のNYダウは朝方471安26033ドルと突っ込むが、引けは66安26438ドルと下げ幅を縮めて終えた。買い戻しと押し目買いが入ったカッコウだが、日足は昨年10月高値26951ドルに迫ったところで足踏み。4/23高値26695ドルと5/1高値26689ドルでWトップを形成する。
NYダウ日足
またナスダックは一時182安7981ポイントと下げるが、引けは40安8123ポイントと戻した。日足は、25日線が下値として働くものの、短期下値抵抗線を割り込んでWトップ懸念を漂わす。
ナスダック日足
因みに、6日の上海株は5.58%急落して日足はWトップを確定させ、調整入りを示唆。ドル円は一時110.28円まで円高に振れ、日足は25日線、200日線を割り込み、75日線に抵触した状況で、為替はマーケットの「リスクオフ」傾注を示唆する。
上海日足
そして7日の日経平均は一時293円安21965円をつける(11時現在)。日足は21800円台で25日線と200日線が控えており、連休に備えたヘッジのショートカバー(買い戻し)も入ることから一旦下げ止まると思われる。ただし、サイコロやRCIなどテクニカル指標がまだ過熱帯びているほか、3月高値から9週、昨年1月高値から17ヶ月という変化日のタイミングでもあり、21800円台を維持できるのか下値注視の相場がしばらく続くと思われる。
日経平均日足
「令和」が始まり、目先は買い戻しなどで戻り見せる可能性あるものの、NYダウ、ナスダック、上海、為替のチャートはいずれも高値警戒漂わす。米中協議の進展を織り込むなど楽観に傾いていたマーケットだが、ファーウェイの台頭、勢いは止めること出来ず米国の焦りも否めない。5月相場は調整の動きに注意したい。
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