富田のトレチャ 2020年04月06日

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彼岸底あとの踊り場

新型コロナの感染拡大が止まらない。米国では感染者、死者数とも勢いを増し、失業保険申請件数や雇用統計など経済指数はリーマンショックを超す厳しさとなり、これから出てくる企業の業績はどうなるのか、マーケットは不安は募らせるばかり。そして、NYダウのチャートは11年間続けた上昇基調に大きく亀裂を入れ「陰転」を明確にする。やり過ぎたマネーバブル相場の崩壊でもあり、先行きは更なる厳しい展開を覚悟せねばならだろう。

NYダウ月足
NYダウ月足

ただ、3月彼岸にかけてNYダウは▼38%、日経平均は▼32%の暴落となり、そこで一旦セーリングクライマックス感を漂わせた。日米とも彼岸のあとアヤ戻りに転じ、25日線を抜けずに軟調地合いを続けるが、厳しい経済統計が出ても株価は彼岸底を割り込まずに落ち着き処を探るような「もみ合い」になっている。

NYダウ日足
NYダウ日足

日経平均日足
日経平均日足

日本では緊急事態宣言が時間の問題と言われ、その宣言が出されると株価は「もう一段下値を探る」という声も聞かれるが、厳しい状況はすでに株価に織り込まれている可能性もある。カラ売りが増加しており、緊急事態宣言が出るなら株価は逆に買い戻しで上昇する可能性もある。彼岸底から日柄はまだ2週にすぎず、もみ合いを4月末~5月頃まで続けてもおかしくなく、日経平均は一時的に2万円を試す可能性もある。ボラティリティやVIXが3月に大きく高騰したが、いま株価がもみ合うことでその沈静化を図っているとも言える。

とはいえ、世界が歴史的な厳しい環境にさらされ、株価の先行きに楽観も抱けない。3月彼岸にかけての下落を「一段下げ」とするなら、もみ合いを経て「二段下げ」に走り出す可能性も否定できない。ならばいま、ここでの「もみ合い」は二段下げに転ずる前の「踊り場」ということだ。

当面のアヤ戻りと、その先の控える二段下げと、投資家としては目先と中期のスタンスをしっかり踏まえて対応するところだろう。

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