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皆が強気に傾いた春先
想定していた1月後半の調整はなさそうだナ・・・なんて思いかけたら、なんと28日、29日と最後の2日間で日経平均は971円も下げた。波乱の要因は米国だ。
ご承知の通り、米国では個人投資家のネット取引(ロビンフッド)が盛んで、その個人の集中攻撃で「ゲームストップ株」が暴騰してヘッジファンドを負かしたことが話題になった。そこで、ネット証券は個人投資家の売買規制に動いたが、ヘッジファンドを規制しなかったことが問題となり、FRBも調査に乗り出すことになった。
このような背景を嫌気して29日のNYダウ終値は29982-620ドル(安値29856ドル)と3万ドル大台を割り込み、日足は25日線(30707ドル)を割り込み、一目均衡表の雲上限(29917ドル)に差し掛かり、75日線(29625ドル)にも迫った。週足は13週線(30086ドル)に抵触したことで、チャートは目先のポイントに差し掛かったと言える。
NYダウ日足
NYダウ日足一目
日経平均は29日に534円安27663円引けで、1週間で963円(-3.3%)下げた。日足は25日線8278923円)を割り込むが、基準線にタッチしたところで75日線(26122円)や週足13週線(26854円)にはまだ余裕があり、ここはスピード調整の域と言えるだろう。月末特有のポジション調整売りが出たところでもあり、月替わりとともに買いが入ることも想定される。
日経平均日足
市場関係者の多くも「心配ない、先高観測不変」で一致している。過剰流動性でカネ余りの地合いに変わりなく、為替も104円台半ばを回復した。日経平均は調整入れたことで、再び切り返す可能性が高い。
ただし、皆が強気に傾いている高値圏でもあり、もしもの場合も踏まえておく。昨年の春先に新型コロナウイルスが発覚した当初も同じように「心配ない」と先高観測で一致していた。NYダウと日経平均の週足はいままだ上昇基調にあり「スピード調整」の域にあるが、RCIをみると日米とも注意が必要なところだ。日足は調整の道半ばで、週足は調整入り信号を灯したばかりで先行きに警戒を臭わす。
皆が強気に傾いた春先だ。日経平均は10/30安値から引く下値抵抗線を割っている。割り込んだ25日線とともにすぐに反発してクリアーするなら強気相場も継続するが、中途半端な戻りにとどまるならチャートの陰転に警戒しなければならない。当面、下値の注意ポイントは27250~27000円でみておきたい。
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